妊娠中のインフルエンザ予防

妊婦インフルエンザ予防接種

妊娠中のインフルエンザ予防

インフルエンザの予防の基本は、よく食べよく運動そしてよく寝て、体力・免疫力をつけるに限りますが、なかなか妊娠中は出来ません。

さらに、手洗い・うがい・マスク・アルコール消毒・除菌・部屋の湿度チェックなどなど気を付ける部分を数え上げたらキリがありません。

インフルエンザの予防接種はもちろんなのですが、もっと妊娠中に楽にできるインフルエンザ予防はないのでしょうか???

病院へ行った時にドクターに聞いてみたり、テレビの情報の中でも信頼できるものをいろいろ調べてみました。

インフルエンザ手洗妊婦

妊婦さんでもできる簡単インフルエンザ予防

  • しっかり歯磨きをする
    インフルエンザは、インフルエンザウイルスが喉の奥の気道粘膜に貼り付き、そこでウイルスを増殖することで発症します。

    粘膜は、たんぱく質のバリアで守られていますが、口の中が歯垢や食べ残しによる悪玉菌で汚れていると、口の中から酵素が生成され、大事なバリアを破壊してしまいます。

    そういった点からも食後はしっかりと歯磨きをすることでインフルエンザを予防します。

  • こまめに水分で喉を潤す
    手などを通じて口から入ったインフルエンザウイルスは喉の奥の気道粘膜に貼り付きます。

    歯磨きを何度もするわけにはいかないので、普段の生活のなかでは、こまめに水分を取ります。

    5分おきくらいに、1口~2口の水分を軽く口の中で廻して飲み込みます。それによってインフルエンザウイルスを喉の粘膜から剥ぎ取ります。インフルエンザウイルスが付着していた場合は流されて胃の中の胃酸で死滅します。

  • あいうべ体操
    あいうべ体操によって呼吸法を改善し、口呼吸を鼻呼吸に変える、インフルエンザを予防します。

あいうべ体操

  • 「あ~」と口を大きく噛みつくように開く
  • 「い~」と口を横に大きく「痛てー」というように開く
  • 「う~」と口を前にひょっとこのようにつき出す
  • 最後に「べ~」と舌を出して下に長く思い切り伸ばす

筋トレの様に、『鍛えるぞ!』という意識を持って、1日30回ぐらい行うと、口の周りの口輪筋と舌筋が鍛えられ、約1週間ほどで自然と口呼吸が鼻呼吸に変っていきます。

以上が妊娠中でも出来る簡単インフルエンザ予防でした。

日光浴をするとインフルエンザになりにくい

妊婦子供毎年のことですがインフルエンザが流行しています。妊娠中は胎児の事もあり、これから生まれる子供の母として心配はつきません。

国立感染症研究所の最新のインフルエンザ流行レベルマップによると、全国でこの定点医療機関対象の1週間にインフルエンザのため病院・クリニックを受診した人は、約18万人になると推計されています。

近年では春夏のインフルエンザが話題になることもありますが、全国的なインフルエンザの流行は実際のところ冬に起きます。数多くの理由が在り得ますが、最近指摘される原因のひとつが「冬の期間は体を日光に当てる時間が減少するから」です。

日光浴をすることで、インフルエンザを含む風邪をひきにくくなることは、さまざまなデータが裏付けています。ざっくりですがこのデータからは、紫外線により皮膚の免疫細胞が刺激されて活性化し、感染を防いだからと考えられます。

以下、毎日新聞から日光を浴びる事の効用を引用します。

太陽から手に入る“ホルモン”ビタミンD

 その背景には日光を浴びると、私たちの体内で活性化する多数のホルモンの存在があります。その一つが、骨の健康を維持するのに必要なビタミンD。

 ビタミンDは糖尿病やアルツハイマー病の予防効果に関しても研究が進められており、その多彩な作用から単なる栄養素というより、ホルモンに近い物質とも考えられています。
魚介類や卵などの食品にも含まれていますが、皮膚の細胞が紫外線を吸収することで、コレステロールから作り出すこともできます。日光を浴びて体内で合成されるビタミンDは、私たちの体の必要量のおよそ半分に達します。

2014年、オーストラリアのクイーンズランド工科大学の研究者たちは、「高齢者に1年間、高用量のビタミンDを毎月1回注射(60000IU/月)すると、感染症治療のための抗生物質が不要になるか否か」という調査を行いました。

調査対象全体では、ビタミンD投与グループは抗生物質が不要の人が多かったが、有意差はなし、という結果でした。しかし対象者を70歳以上に限ると、ビタミンD投与グループは、抗生物質が必要だった人が47%も減少し、有意差のある結果が出たそうです。

インフルエンザには抗生物質(抗菌薬)は効果がありませんが、ビタミンDの免疫活性化機能の一端が分かります。

 メラトニンというホルモンも日光に関係しています。朝、太陽の光が目に入ると、体内時計をつかさどる網膜と直結している脳の視交叉上核というところが光に反応してメラトニンを製造します。

作られたメラトニンはその日の夜に分泌されて、快適な睡眠を作ります。睡眠を十分取ることは、もちろんインフルエンザの予防になります。

 脳をはじめ、体内のあちらこちらに存在するセロトニン神経は、日光の刺激でセロトニンを分泌します。セロトニンは、体温調節・摂食行動・情緒など主に昼間の生活を支え、これもインフルエンザから体を守ります。

 

妊娠中に予防接種を受けると胎児に影響があるのでしょうか?

症例の数が少ないので影響はないと断定はできませんが胎児に重大な影響を及ぼす可能性はないようです。

タミフル

今年の6月、妊娠初期にタミフルを服用した場合の赤ちゃんへの影響について、妊娠と薬情報センターと虎の門病院が調査した結果が世界に発信されました。

タミフルを妊娠初期に服用したのち出産した86人の女性のうち、1人の女性から先天異常の赤ちゃんが生まれましたが、これは通常の発生率と比較して高くありませんでした。

一般的にすべての妊娠において、先天異常は約3%の確率で起こると考えられています。
調査人数が少ないため、この調査結果だけから結論づけることはできませんが、先天異常をもたらすリスクは高くないものと思われます。

リレンザ

リレンザは吸入で使用され局所で作用するため、母親の血中に移行する量もごくわずかであり、さらに口に残ってしまった分を飲み込んでしまったとしても、それも血中にはほとんど移行しないことがわかっています。

 この薬剤を使用したとしても、胎児に重大な影響を及ぼす可能性はないものと考えられます。

国立成育医療センターが行った「新型インフルエンザ A(H1N1)に対するインフルエンザHAワクチンの免疫原性に関する臨床試験-妊婦-」によると、新型インフルエンザワクチン(北研)を1回接種した、妊娠 8 週から 32 週までの健常妊婦 131 例において、重大な副反応はみられなかった

イナビル(ラニナミビル)

日本産科婦人科学会員ならびに日本産婦人科医会員のご協力ならびに厚労省の指導を得て、2012年ならびに2013年に「妊娠中に服用された抗インフルエンザ薬ラニナミビルの妊娠帰結に及ぼす影響」の調査が日本産科婦人科学会周産期委員会委員らにより実施されました。これら調査結果は流産/早産/胎児形態異常などの有害事象を増加させないことを示しましたので報告致します。

[目的]
新規に開発された抗インフルエンザ薬ラニナミビルを妊娠中に服用した妊婦の妊娠予後に関して評価する。

[方法]
2012年ならびに2013年のflu seasonにインフルエンザ治療としてラニナミビル投与を受けた妊婦112名の妊娠帰結に関して後方視的検討を実施した。

[結果]
17名が妊娠3-11週に、39名が12-21週に、46名が22-36週に、そして10名が37週以降にラニナミビル20-40mg (4名に20mg, 108名に40mg)の単回吸入投与を受けた。21週以前に投与を受けた56名中1名(1.8%)が12週未満流産を経験した。流産1名を除く111名全員が生児(単胎児111名)を得たが、9名(8.8%)は37週未満早産となった。児111名中、3名(2.7%)に形態異常が確認された(6週曝露児に内反位足、17週曝露児に第5多趾症、21週曝露児に口唇裂)。5名(4.5%)がSGAだった。11名(9.9%)は黄疸のために光線療法を、5名(4.5%、2名は呼吸窮迫症候群,3名は新生児一過性多呼吸)は一時的に呼吸補助を必要とした。しかし、治療を要する低血糖を示した児はいなかった。

[結論]
本研究は大規模研究ではなく、また対照群も設定していないが、妊娠中のラニナミビル服用は妊娠予後に悪影響を与えないことを示した。

以上がインフルエンザワクチンの胎児への影響の詳細です。他の妊娠ウェブサイトにもインフルエンザワクチンの胎児への影響のことを書いてあるのですが記事の出処がわからなかったり、やたらと軽いノリで書いているのが目に付いたので賢威のある機関からの一次情報を探して引用したので安心してください。

妊娠中にインフルエンザにかかったら

インフルエンザ予防接種妊婦

妊娠中はホルモンバランスの変化により免疫力が低下するので、インフルエンザにかかりやすく、感染すると重症化する可能性が高まります。

インフルエンザ感染で胎児に直接影響はありませんがインフルエンザ感染によって引き起こされる症状により影響が出る場合もあります。

ひとつはインフルエンザに伴う咳や発熱によって切迫早産になることがあるので注意が必要です。

インフルエンザ感染の体調不良により満足に食事ができないとお腹の赤ちゃんへ栄養が不足することも考えられますが高熱も数日間だけなので大きな問題ではありません。

最終的な判断は決して自分自身ですることなく、何かあればすぐに婦人科または小児科で受診することを徹底して、焦らず怖がらず妊娠生活を送って下さい

妊婦授乳